肘の外側が痛む「外側上顆炎」|片手で物を持ち上げる仕事の方へ、肘を揉まないセルフケアとは

この記事でわかること
  • 肘の外側が痛くなるのは「肘だけ」の問題ではないこと
  • 痛い場所を直接ぐりぐり揉むと、かえって逆効果になりやすい理由
  • 肘を直接刺激しない、簡単で効果的なセルフケア2つ紹介

【この記事を書いた人】

氏名:廣畑 駿也(ひろはた しゅんや)

廣畑 駿也

資格:理学療法士
臨床経験:
病院・クリニック勤務にて、整形外科を中心に脳神経・呼吸器など幅広い分野の治療に16年間携わる。
得意分野:
・長年の肩こり・腰痛・膝の痛みといった慢性的な不調
・怪我・病気・手術後の不調
所属院:ひろはた整体ラボ(JR三田駅徒歩3分)

「上にある器を片手でとるとき、肘の外側がズキッと痛む」

「重い物を持ち上げると、肘の外側に痛みが走る」

「肘の外側を押すと、ピンポイントで痛い場所がある」

このようなお悩みを抱えている方に、このブログがお役に立てれば幸いです。

こんにちは。

兵庫県三田市で開業しています、ひろはた整体ラボの廣畑です。

肘の外側が痛むと、お仕事のたびに気になって、力を入れるのがこわくなってしまいますよね。

今回は、力仕事や、前腕(ぜんわん=ひじから手首までの部分)をくり返しよく使うお仕事の方に向けて、肘の外側の痛みの原因と、自宅でできるやさしいセルフケアについてお話しします。

※ここでお話しするのは、整形外科で「外側上顆炎(がいそくじょうこうえん)」(「テニス肘」とも呼ばれます)と言われるような、肘の外側の痛みを想定しています。

目次

結論|肘の外側の痛みは「肘を揉む」より、肩と周りのケアが先

結論から先にお伝えします。

肘の外側が痛いとき、痛い場所を直接ぐりぐり揉むより、まず肘の外側に付く筋肉と、肩・肩甲骨の動きをやさしく整えることが大切です。

というのも、肘の外側の痛みは「肘だけ」の問題ではないことが多いからです。

肘をくり返し使う負担に加えて、肩や肩甲骨の硬さをかばう動きが重なって、肘の外側に負担が集まってしまうことがあります。

そして、痛い場所を直接ぐりぐり揉んでしまうと、かえって炎症が強くなってしまう可能性があります。

毎日のお仕事で肘が痛むと、「このまま悪くなったら…」と不安になりますよね。

でも、ご安心ください。

この記事では、肘を直接刺激しない、簡単なセルフケアを2つ(①肩甲骨・胸を動かすストレッチ ②前腕を伸ばしてそっとひねるストレッチ)ご紹介します。

どちらも道具はいりませんし、お仕事の合間にもできるものです。

まずは1〜2週間、痛みと相談しながら、できる範囲で続けてみてくださいね。

肘の外側が痛くなるのはなぜ?

肘の外側の出っぱり(外側上顆)と、そこに付く手首・指を反らす筋肉の解剖図

肘の外側に付く筋肉が、くり返し引っぱられる

肘の外側には、手首や指を反らすときに働く筋肉が付いています。

この筋肉は、前腕から肘の外側にある骨の出っぱりに向かって付いています。

物を持ち上げたり、手をよく使ったりするたびに、この付け根の部分がくり返し引っぱられます。

ちょうど、輪ゴムを同じ場所でくり返し引っぱっていると、その一点が傷みやすくなるようなイメージです。

こうして負担が積み重なると、肘の外側の付け根に痛みが出てきます。

「上にある器を片手でとる」動きが負担になりやすい

棚の上の器を片手で腕をひねりながら取る動作

特に負担になりやすいのが、前腕を手のひらが上を向くようにひねる動きです。

たとえば、棚の上にある器を片手でとるときの動きです。

片手で、腕をひねりながら物を持ち上げる——この動作がくり返されると、肘の外側の筋肉に負担が集中します。

飲食のお仕事のように器を上から取る場面が多い方はもちろん、荷物を持ち上げる力仕事など、腕をよく使うお仕事全般で起こりやすい動きです。

実は「肩・肩甲骨の硬さ」も肘に負担をかけている

肩甲骨が硬いと負担が前腕・肘に流れることを示す概念図

ここが見落とされやすいのですが、肘の外側の痛みには、肩や肩甲骨の動きも関係しています。

肩や肩甲骨がしっかり動いてくれると、腕全体をスムーズに使えて、前腕にかかる負担が分散されます。

反対に、肩や肩甲骨が硬いと、その動きの足りなさを前腕がかばうことになります。

まるで、チームの中の一人がうまく動けないと、その分ほかのメンバーに負担がかかってしまうのと同じです。

つまり、肘の外側だけを見ていても、根本の負担は減りにくいことがあるのです。

実際にあった、飲食のお仕事の方のお話

当ラボにも、飲食のお仕事で、上にある器を片手でとる動作をくり返す方が来院されました。

肘の外側を指で押すと、「上にある食器を片手でとるときに痛い」と、はっきりわかる場所がありました。

そして、その痛い場所を、つい自分でぐりぐりと押してしまっていたのでした。

詳しくお話をうかがうと、前腕を上に向けてひねる動きのくり返しが負担になっていて、さらに肩や肩甲骨の動きも硬くなっていました。

こうしたケースでは、肘を直接刺激せず、肩甲骨や前腕をやさしく整えていくことで、負担が軽くなっていく方が多くいらっしゃいます。

※お体の変化には個人差があります。

よくある誤解|「痛い場所をぐりぐり揉めば治る」は逆効果?

誤解①:肘の外側は、ぐりぐり揉むほどよくなる?

「痛い場所を揉めばほぐれる」と思って、肘の外側を強く押したり揉んだりしていませんか。

実は、痛んでいる付け根を直接ぐりぐり刺激すると、かえって炎症が強くなってしまう可能性があります。

肘の外側の痛みは、「痛い場所を直接ほぐす」より、「周りの負担を減らす」方が近道になることが多いのです。

痛いところほど、そっとしておいてあげてくださいね。

誤解②:肘の痛みは、肘だけの問題?

「肘が痛いのだから、原因は肘にあるはず」と思いがちです。

ですが、さきほどお伝えしたように、肩や肩甲骨の硬さが前腕の負担につながっていることがあります。

肘だけでなく、肩から腕全体の動きを見直すことが大切です。

肘を揉まないセルフケア2つ

どちらも、痛みのない範囲でやさしく行うのが基本です。

そして共通して大切なのは、痛い場所を直接刺激しないことです。

「うまくできなくても大丈夫」くらいの気持ちで、気楽に始めてみてくださいね。

①肩甲骨・胸を動かすストレッチ

まずは、肩甲骨と胸を動かして、腕全体を使いやすくするストレッチです。

  1. 背すじを軽く伸ばして、いすに座るか、立った姿勢になります。
  2. 息を吸いながら、両方の肩甲骨を背中の真ん中にゆっくり寄せて、胸を開きます。
  3. そのまま5秒キープして、息を吐きながらゆっくり戻します。
  4. これを3回くり返します。

ポイント:肩をすくめて力まないように行いましょう。肩の上げ下ろしも大きく入れると、肩まわり全体がほぐれやすくなります。

肩甲骨がしっかり動くようになると、前腕にかかる負担が軽くなっていきます。

②肘を伸ばして、そっとひねるストレッチ

次に、前腕の筋肉をやさしく伸ばすストレッチです。

  1. 両方の腕を、前へまっすぐ伸ばします(肘を伸ばした状態にします)。
  2. 親指を上に向けた状態から、中指を中心にしながら手首を内側へゆっくり返します。
  3. 前腕の外側が「じんわり伸びるな」と感じるところで止めて、10秒ほどキープします。
  4. 反対に手のひらを上に向けるようにして外側に返します。(10秒ほどキープ)
  5. これを3回繰り返してみましょう

ポイント:目一杯伸ばす必要はありません。「気持ちよく伸びる」くらいでちょうどよいので、痛みが出るところまでは伸ばさないでくださいね。


おわりに|まずは「肘を揉まない」から

最後までお読みいただきありがとうございました。

肘の外側の痛みは、お仕事のたびに気になって、つらいですよね。

「このまま良くならなかったら…」と、不安になる方もいらっしゃると思います。

ですが、痛い場所を直接ぐりぐり揉むのをやめて、肩甲骨や前腕をやさしく整えるだけでも、負担は変わっていきます。

今日ご紹介した①肩甲骨・胸のストレッチ ②前腕を伸ばしてそっとひねるストレッチを、まずは痛みのない範囲で、お仕事の合間に気軽に試してみてくださいね。

もし、痛みが強い・なかなか改善しない、やり方に不安がある、という方は、お気軽にLINEかお電話でご相談ください。

LINEは24時間受付しています。

ひろはた整体ラボでは、理学療法士として16年間培った経験を活かし、あなたの体に合わせた施術をご提供しています。

このブログが皆様のお役に立てば幸いです。

どのくらいの強さでやればいいの?

痛みのない範囲で、やさしく行うのが基本です。特に、肘の外側の痛い場所は避けて、周りの筋肉をゆっくり伸ばしてください。

毎日やっても大丈夫?

やってみて痛みが増えないようであれば、毎日続けていただくのが効果的です。ただし無理は禁物です。痛みが強まる日は、お休みしてください。

これで治りますか?

セルフケアは、症状をやわらげたり、進行を防いだりすることを目的としたものです。痛みが続く・強まる場合は、整形外科など医療機関にご相談ください。

参考文献

  • 今田英明、渋谷早俊 ほか「上腕骨外側上顆炎における短橈側手根伸筋(ECRB)起始の一塊標本を用いた組織学的検討」(国立病院機構東広島医療センター整形外科/2017年・J-STAGE 掲載)

(理学療法士 廣畑 駿也 監修)

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廣畑 駿也のアバター 廣畑 駿也 ひろはた整体ラボ

資格:理学療法士
臨床経験:病院・クリニック勤務にて、整形外科を中心に脳神経・呼吸器など幅広い分野の治療に16年間携わる。
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