- 夏に食欲が落ちる・胃がもたれるという不調が起こる理由
- 汗で失われる塩分と、屋外と室内の寒暖差が体にかける負担
- 夏の胃腸をいたわる3つの備えと、医療機関を受診したい目安
「夏の暑さで食欲がなくなって、お腹の調子まで悪くなってしまった…」
「夏バテで胃がもたれて、下痢が続いている」
「冷たい飲み物ばかりで、胃が重たい」
このようなお悩みをお持ちの方に、このブログがお役に立てれば幸いです。
こんにちは。
兵庫県三田市で開業しています、ひろはた整体ラボの廣畑です。
暑い時期に食欲が落ちて、お腹の調子まで崩れてしまうのは、つらいことかと思います。

当ラボでも「夏になると食欲がなくて」とおっしゃる方が、実際にいらっしゃいます。
今日は、夏に胃腸の調子が落ちる理由と、日ごろの備えについてお伝えします。
結論|夏の胃腸の不調は「汗で失う塩分」と「寒暖差による自律神経の負担」から
先に、結論からお伝えします。
夏に食欲が落ちたり胃がもたれたりする背景には、汗で失われる塩分(ナトリウム)と、屋外と室内の寒暖差による自律神経(じりつしんけい)への負担があります。
胃腸の働きはこの自律神経が調整しているため、暑さで負担が重なると、消化のはたらきも落ちてしまいます。
そのうえでの備えは、寒暖差を小さくすること、汗をかいた日は塩分も補うこと、冷たいものは少しずつにして夜は温めることの3つです。
毎年のことだからと我慢されている方も多いのですが、体のしくみを知って少し備えるだけで、夏の過ごし方は変わってきます。
ただし、夏のお腹の不調には、食あたりや感染性の腸炎(ちょうえん)が隠れていることもあります。
あとでお伝えする受診の目安も、あわせてご覧ください。
夏に胃腸の調子が落ちるのはなぜ?
暑さと寒暖差で、体温調節の司令塔が疲れてしまう
自律神経とは、呼吸や体温、汗など、意識しなくても体を自動で調整してくれる司令塔(しれいとう)です。

このうち、休んでいるときに働く副交感神経(ふくこうかんしんけい)は「休息と消化の神経」とも呼ばれ、食べたものを胃で混ぜる筋肉の動き(蠕動(ぜんどう)運動)も調整しています。
胃の緊張や蠕動運動を副交感神経(迷走神経)が調整していることは、研究でも明らかになっています。
ところが、夏の暑さそのものが、体にとってのストレスになります。
暑さにさらされると副交感神経のはたらきが低下することも、研究で確かめられています。
そこへ、屋外は35度・室内は涼しいという寒暖差がくり返されると、体温を調節する自律神経に負担がかかります。

さらに熱帯夜が続いて眠りが浅くなると、睡眠中に副交感神経が優位になりにくく、体の回復が追いつきません。
こうして負担が重なると、食べたものがうまく消化されず、胃のもたれや食欲の落ち込みにつながってしまうのです。
夏バテと自律神経の関係は、こちらの記事で詳しくお話ししています。

汗で塩分(ナトリウム)が失われると、食欲まで落ちてしまう
夏の胃腸の不調には、もう一つの入り口があります。
汗と一緒に失われる、塩分です。
血液の中の塩分(ナトリウム)の濃度は、いつも一定に保たれています。

ところが夏は大量に汗をかくため、水分と一緒に塩分も体から出ていきます。
汗をかいたあとに水やお茶だけを飲むと、血液中の塩分・ミネラルの濃度が低くなり、さまざまな熱中症の症状が出てくることが知られています。
体のだるさや頭痛、吐き気、食欲の落ち込みといった形で現れることがあります。
つまり夏の胃腸の不調は、胃だけの問題ではなく、暑さに体全体の調整が追いつかなくなったサインでもあるのです。
私自身も、毎日の冷たい飲み物で胃もたれと下痢症状に…
実は私自身も、夏に胃もたれ、下痢症状に悩まされることは多かったんです。
夏になると、キンキンに冷えた飲み物やアイスを、毎日のように口にしていました。
冷たい飲み物やアイスは、夏の楽しみでもありますね。
そのうちに胃が重たくなって、食欲が落ちてしまいました。
お腹も下してしまい、しばらく続きました。

「毎年恒例のことだから」と思い込んでいましたが、次の章で上げる対策を行ったところ、悩まされることがほとんどなくなりました。
冷たいものの摂取をやめてしまわなくても、量と飲み方を少し変えるだけで、お腹への負担は和らぎます。
お腹を下してしまうしくみは、こちらの記事で詳しくお話ししています。

胃もたれ・下痢を予防|夏の胃腸をいたわる3つの備えとは?

①エアコンは25〜28度に、風は直接あてない
屋外と室内の寒暖差は、5度以内が理想とされています。
とはいえ、35度を超える猛暑日には、熱中症予防の面からもエアコンが必要です。
設定温度は25〜28度を目安にするとよいでしょう。
エアコンの風が直接あたると体温が急に奪われますので、風向きを上向きにしたり、扇風機で空気を回したりしてみてください。
自分で温度を決められないオフィスなどでは、カーディガンを羽織る、膝掛けを使う、といった手もありますよ。
②汗をかいた日は、水分と一緒に塩分も
「塩分は控えたほうがいいのでは」と考える方も、いらっしゃるかと思います。
ただ、大量に汗をかく真夏は、水分と一緒に塩分を補うことが大切です。
梅干しを食べる、塩あめをなめる、といった方法があります。

水分補給には、経口補水液やスポーツドリンクを活用するのもよいですよ。
食塩水をつくる場合は、水1リットルに対して食塩1〜2グラムが目安です。
なお、塩分の適量は持病(高血圧・腎臓病など)によって変わりますので、気になる方はかかりつけのお医者さんにご相談ください。
③冷たい飲み物は少しずつ、夜は湯船で温める
冷たいものが一度にたくさん入ると、お腹が急に冷えて胃腸の働きが落ちやすくなります。
氷を入れすぎない、常温のものも混ぜる、少しずつ飲む。
それだけでもお腹への負担は和らぎます。

そして、暑い時期はシャワーだけで済ませがちですね。
湯船にゆっくり浸かるのは、自律神経を整えるのに最適です。
冷房のきいた場所で長く過ごす日は、腹巻きや薄手の上着でお腹を覆うのもおすすめです。
こんなときは、自己判断せず医療機関へ
夏の胃腸の不調は、多くの場合、冷え対策と休養で落ち着いていきます。
ただ、なかには様子を見ないほうがよいものもあります。
次のようなときは、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 下痢が何日も続く、だんだん強くなる
- 発熱をともなう
- 強い腹痛がある
- 便に血が混じる
- 吐いてしまって水分がとれない、ぐったりしている
これらは、暑さや冷えでは説明できない別の原因(感染性の腸炎など)のサインのことがあります。
「いつもと様子が違う」と感じたときは、早めに専門家へ相談すると安心です。
おわりに|夏の胃腸は、寒暖差を小さく、塩分を味方に
最後までお読みいただきありがとうございました。
この度のブログでは、夏に胃腸の調子が落ちる背景には、汗で失われる塩分と、寒暖差による自律神経への負担があることをお話ししました。
だからこそ、エアコンの設定を見直す、汗をかいた日は塩分も補う、冷たいものは少しずつにして夜は湯船で温めることを意識してみてください。
まずは、この夏の間、できることから続けてみてくださいね。
これらの備えをしてみたものの「毎年つらい」というときは、もしかしたら、日頃の仕事や家事で、すでに体が疲れをためているかもしれません。
姿勢のゆがみは自律神経の乱れを引き起こします。
もし日頃から、疲れが取れにくい・慢性的な肩こり・腰痛がある、というお悩みがあれば、もしかすると当ラボの施術がお役に立てるかも知れません。
気になることがあれば、LINEまたはお電話から気軽にご相談ください。
LINEからは24時間受け付けております。

ひろはた整体ラボでは、理学療法士として16年間培った経験を活かし、あなたの体に合わせた施術をご提供しています。
このブログが皆様のお役に立てば幸いです。
- 夏に食欲が落ちるのは、夏バテのせいですか?
-
暑さによる自律神経への負担や、汗で塩分が失われることが、背景の一つと考えられています。胃腸のはたらきは自律神経が調整しているため、暑さや寒暖差で負担が重なると、消化のはたらきが落ちて食欲に影響することがあります。ただし、食欲の落ち込みが長く続くときや、体重が減っていくときは、別の原因が隠れていることもありますので、医療機関でご相談ください。
- 食欲がないとき、そうめんやアイスばかりでも大丈夫でしょうか?
-
食べられるものを口にすることは大切ですので、そうめんやアイスが悪いわけではありません。ただ、冷たいものばかりが続くとお腹が冷えやすくなりますので、温かい汁物や梅干しなど、塩分を含むものを少し添えてみてください。私自身も、冷たい飲み物が毎日続いたときに胃もたれと下痢になりましたので、量と回数だけ気にかけていただくと安心です。
- 塩分はとりすぎても大丈夫ですか?
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大量に汗をかく真夏は、水分と一緒に塩分を補うことが大切です。とはいえ、いくらでもとってよいというものではありません。食塩水なら水1リットルに対して食塩1〜2グラムが目安とされています。高血圧や腎臓の病気で塩分の指示を受けている方は、適量が変わりますので、かかりつけのお医者さんにご相談ください。
- エアコンは何度に設定すればよいですか?
-
屋外との寒暖差は5度以内が理想とされていますが、猛暑日にそれを守るのは難しいところです。熱中症予防の面からもエアコンは必要ですので、25〜28度を目安にしてみてください。風が直接あたると体温が急に奪われますので、風向きを上向きにする、扇風機で空気を回すといった工夫が役立ちます。温度を決められない場所では、カーディガンや膝掛けでしのぐ方法もあります。
参考文献
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル ~総論~(2025年7月版)」 ── 熱中症の基本的な知識、予防、応急処置をまとめた環境省のマニュアルです。暑い時期の水分・塩分の補給の考え方が示されています。
- 日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」熱中症対策のポイントは、水分補給だけでなく塩分補給!(監修:三宅康史) ── 汗をかいたあとに水分だけを補うと血液中の塩分・ミネラルの濃度が低くなること、食塩水は水1リットルに食塩1〜2グラムが目安であることが示されています。
- Travagli RA, Anselmi L. Vagal neurocircuitry and its influence on gastric motility. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2016;13(7):389-401. ── 脳から出る迷走神経(副交感神経)が、胃の緊張や蠕動運動を調整していることを整理した総説です。
- Abellán-Aynés O, Manonelles P, Alacid F. Cardiac Parasympathetic Withdrawal and Sympathetic Activity: Effect of Heat Exposure on Heart Rate Variability. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(11):5934. ── 暑さにさらされると心拍変動が低下し、その主な要因が副交感神経のはたらきの低下であることを示した研究です。


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