急につまずきやすくなったのはなぜ?|足首と親指で分かる腓骨神経麻痺

急につまずきやすくなったのはなぜ?足首と親指で分かる腓骨神経麻痺(椅子に座って足元を気にする女性のイラスト)

「最近、何もないところでよくつまずく」

「股関節の手術をしてから、足首が動きにくくなった」

このようなお悩みをお持ちの方に、このブログがお役に立てれば幸いです。


こんにちは。

兵庫県三田市で開業しています、ひろはた整体ラボの廣畑です。

つまずくことが増えると、「年のせいかな」と思われる方も多いのではないでしょうか。

けれど、ある時をきっかけに急につまずきやすくなった・足首が動きにくくなった、という場合は、神経が関わっていることがあります。

その神経とは腓骨神経(ひこつしんけい)というものです。

これが傷ついたりして麻痺が起こってしまうものを腓骨神経麻痺と言います。

この度のブログでは、腓骨神経麻痺とはどんなものか、そして足首と親指を使った見つけ方についてお話しします。

目次

結論|急につまずきが増えて、足首と親指が上がりにくいなら、腓骨神経麻痺の可能性があります

先に、結論からお伝えします。

ある時をきっかけに急につまずきやすくなり、足首と足の親指が上がりにくくなっているなら、腓骨神経麻痺があります。

腓骨神経麻痺は、膝の外側を通る神経が押さえられて、足首を持ち上げる筋肉が働けなくなる状態です。

きっかけになりやすいのは、手術の後や寝込んでしまった後、長い正座のように「足を動かせない時間」です。

実際に当ラボに来られた方の中にも、そういう方がいらっしゃいました。

70代の女性で、「足が動きにくい」「つまずきやすい」というお悩みで来院されました。

よくよくお話を伺うと、数年前に股関節の手術をされていて、そのあとから足首の上がりが悪くなっていたのです。

足首と親指を持ち上げてもらうと、どちらも上がらない状態でした。

見つけ方の目印は、次の2つです。

  • 足首(つま先)が、持ち上がるか
  • 足の親指が、持ち上がるか

つまずきが増えた上に、この2つが片足だけ上がりにくいときは、早めに専門家に今の状態を確かめてもらいましょう。

つまずいてこけそうになる場面が続くのは、不安なことかと思います。

転倒して、大怪我をする前に一度確かめていただくことがとても大切です。

腓骨神経麻痺とは?|膝の外側の骨の出っ張りのうしろで神経が押さえられて起こります

腓骨神経は、足首や指を持ち上げる筋肉と、足の甲の感覚を受け持つ神経です。

膝のすぐ下の外側に、骨の出っ張りがあるのを触ってみてください。

これが腓骨頭(ひこつとう)で、腓骨神経はこの出っ張りの後ろ側を回り込むように通っています。

ここは皮膚のすぐ下を神経が通る、体の中でも特に無防備な場所なんです。

正座をしていると、足がしびれてくることがあります。

あのしびれは、足の血の巡りが悪くなって起きているものです。

血の巡りが悪くなると、この神経に負担がかかります。

つまり、正座のしびれは「神経に負担がかかっていますよ」という体からのサインなのです。

短い時間なら、立ち上がって血の巡りが戻れば、しびれは引いていきます。

ところが、この場所が長い時間押さえられ続けると、神経そのものが傷ついてしまいます。

神経が傷つくと、その働きが落ちて、足首を持ち上げる力が出せなくなります。

手術のあとでしばらく足を動かせなかったとき、長い時間正座を続けたとき、足を組んで座り続けたとき——。

こうした「足を動かせない状況」がきっかけになりやすいのが、腓骨神経麻痺です。

膝の外側で腓骨神経が腓骨頭を回り込み、深腓骨神経と浅腓骨神経に分かれる位置を示した解剖図

なぜ足首と親指が上がらなくなるのか?|腓骨神経麻痺で、すねの前の筋肉が働けなくなるからです

神経が働かなくなると、その神経が動かしている筋肉も力が出せなくなります。

腓骨神経が受け持つ筋肉の代表が、すねの前にある前脛骨筋(ぜんけいこつきん)です。

前脛骨筋は、足首をそらして、つま先を持ち上げる筋肉です。

歩くときに、足を前に振り出しながらつま先を持ち上げているのが、この筋肉です。

ここが弱ると、つま先が垂れ下がって、少しの段差やご自分の足にも引っかかるようになります。

「何もないところでつまずく」の正体は、これです。

歩くときにつま先が垂れ下がって、床に引っかかるイメージのイラスト

さらに、足の親指を持ち上げる筋肉も、同じ神経が受け持っています。

だから、足首と一緒に親指も上がらなくなるのです。

ただし、神経は細い線維がたくさん束になったものです。

どの線維がどれだけ傷んだかは人によって違うので、症状の出方や強さも一人ひとり異なります。

足首が全く動かない方もいれば、少し動く方もいらっしゃいます。

腓骨神経麻痺のセルフチェック|かかとをつけたまま、足首と親指を上げてみましょう

ご自宅で確かめる方法をお伝えします。

  1. 椅子に座り、両足のかかとを床につけます。
  2. かかとをつけたまま、両方のつま先を持ち上げます。
  3. 次に、足の親指だけを持ち上げます。

ポイント:左右で比べてみてください。片方だけ明らかに上がりにくい、というのが目印です。

椅子に座り、かかとを床につけたまま両方のつま先を上げているイラスト

その上で、次のことが重なるときは、早めに整形外科などの医療機関で確認してもらってください。

  • ある時をきっかけに、急につまずきやすくなった
  • 片方の足首・親指が、明らかに上がりにくい
  • スリッパが脱げやすい、足を高く上げないと歩きにくい

腓骨神経麻痺に気づいたら、今の状態を専門家に確かめてもらいましょう

腓骨神経麻痺で大切なのは、今の神経がどうなっているのかをしっかり確認することです。

このブログを見てご自分で早めに判断するよりも、専門家に診ていただくことをお勧めします。

当ラボでも、医療機関での経験を活かして、足首や親指の動きから今の状態を判断し、必要に応じて適切な医療機関へご紹介しています。

「病院に行くほどなのか迷う」というときも、まずはご相談ください。

おわりに|足首と親指の上がり方は、腓骨神経麻痺を見つける目印です

最後までお読みいただきありがとうございました。

この度のブログでは、急につまずきが増えたときに考えたい腓骨神経麻痺と、足首と親指の上がり方で見つける方法についてお話ししました。

足首が引っかかるようになると、転倒のリスクが本当に高くなります。

腓骨神経麻痺の症状が強く出ているときは、整体で即効性のあるものは、なかなか望めません。

一方で、足の引っかかりを防ぐ装具をつけると、歩き方は大きく変わりやすくなります。

ただ、神経の損傷の具合が関係してきますので、回復の見込みには本当に個人差があります。

「本当にその症状なのか、なかなかわからない」「病院に行くのに少し抵抗がある」という方は、一度ご相談だけでもしていただければ、アドバイスをさせていただきます。

LINEからは24時間受け付けております。

LINE友だち追加QRコード

ひろはた整体ラボでは、理学療法士として16年間培った経験を活かし、あなたの体に合わせた施術をご提供しています。

このブログが皆様のお役に立てば幸いです。

正座で足がしびれるのも、腓骨神経麻痺ですか?

正座のしびれは、血の巡りが悪くなって神経に負担がかかっている、というサインで、麻痺そのものではありません。立ち上がって少し経てばしびれが引き、足首もいつもどおり動くなら、ご心配はいりません。ただし、長い時間の正座のあとで、しびれが引かない・足首や親指が上がりにくい状態が続くときは、早めに医療機関でご相談ください。

病院に行くなら、何科がいいですか?

まずは整形外科がよいかと思います。足首や親指の持ち上がりと感覚の状態を確認したうえで、必要に応じて神経の検査などを検討してもらえます。「いつから・どんなきっかけで・どちらの足か」をメモして行くと、診察がスムーズになります。

すねの外側がしびれるだけで、足首はいつもどおり上がります。これも腓骨神経麻痺ですか?

足首と親指がいつもどおり上がるなら、腓骨神経麻痺の目印には当てはまりません。立ち仕事のあとにすねの外側がだるくなる・じんわりしびれる、という出方であれば、すねの外側の筋肉の疲れが関係していることがあります。その仕組みは、別のブログ「すねの外側のしびれ・だるさ|原因は坐骨神経痛?」で詳しくお話ししています。

腓骨神経麻痺は、治りますか?

回復の見込みは、神経がどれだけ傷んだかによって大きく異なります。足首が全く動かないのか、少しでも動く・筋肉のピクつきがあるのかで、見通しも変わってきます。ここで一概にお答えできるものではないため、まずは医療機関で今の状態を確認してもらうことが何より大切です。

参考文献

腓骨神経が膝の外側で腓骨頭を回り込んで走ること、露出した部位のため圧迫を受けやすいこと、足首や親指を持ち上げる筋肉がこの神経の働きで動いていることについては、下記の資料をもとにしています。

(理学療法士 廣畑 駿也 監修)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

廣畑 駿也のアバター 廣畑 駿也 ひろはた整体ラボ

資格:理学療法士
臨床経験:病院・クリニック勤務にて、整形外科を中心に脳神経・呼吸器など幅広い分野の治療に16年間携わる。
得意分野:長年の肩こり・腰痛・膝の痛みといった慢性的な不調・怪我・病気・手術後の不調
所属院:ひろはた整体ラボ(JR三田駅徒歩3分)

コメント

コメントする

目次