「ヘルニアと言われてから、体を動かすのが怖くなった」
「腰に負担をかけないように、と言われたけれど、何に気をつけたらいいのか分からない」
「どうして自分の腰は、ヘルニアになってしまったんだろう」
このようなお悩みをお持ちの方に、このブログがお役に立てれば幸いです。
こんにちは。
兵庫県三田市で開業しています、ひろはた整体ラボの廣畑です。
病院で腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんヘルニア)と診断されると、体を動かすこと自体がためらわれてしまうものかと思います。
この度のブログでは、腰のヘルニアになりやすい腰とはどのような状態なのか、そして普段の生活で何に気をつけるとよいのかをお話しします。
実は、ヘルニアになりやすい腰の状態というものがあるんです。
結論|腰椎椎間板ヘルニアになりやすい腰は、本来の反りが減って真っ直ぐに
腰の骨は、本来ゆるやかに前へ反っています。
この反りのことを、前弯(ぜんわん)といいます。
ところが、この反りが減って、腰がまっすぐに近い状態になってしまうことがあります。
いわゆる「ストレート腰」と呼ばれる状態です。
腰の反りが減ると、体にかかる衝撃が椎間板に直に伝わりやすくなります。
その上、前かがみになったときに、椎間板の中身が後ろへ押し出されやすくなるのです。
ですから、腰のヘルニアと言われた方に一番気をつけていただきたいのは、前かがみの姿勢です。
特に、中腰の姿勢と、腰だけを曲げる動作になります。
どんな体の使い方が腰に負担をかけているのかが分かれば、普段の生活の中で対策をすることもできます。
腰の反りは、車のサスペンションのような働き
車には、でこぼこ道の衝撃を吸収してくれるサスペンションという部品が付いています。
腰のゆるやかな反りも、これと同じような働きをしています。

歩くたびにかかる上下の衝撃が、骨にそのまま突き上げるのではなく、腰のカーブがしなることで受け流されるのです。
骨と骨の間にある椎間板そのものも、水分を含んだクッションとして働き、かかった圧を骨の面全体に分散します。
ところが腰の反りが減ってまっすぐになると、サスペンションが働かない車と同じことが起こります。
受け流されるはずだった衝撃が、椎間板に直に伝わるようになるのです。
実際に、若い方で腰椎椎間板ヘルニアと診断された方を調べた研究では、もともと腰の反りが少ないタイプの方が多いことが報告されています。
ただ、腰の反りが少なくなってしまう一番の原因は、仕事や家事などで生じてしまう普段の姿勢のほうなんです。
腰椎椎間板ヘルニアにつながる腰の反りは、長い座り姿勢で減っていく
では、なぜ腰の反りは減ってしまうのでしょうか。
一番分かりやすいのが、長時間の座り姿勢です。
私の実感としても、デスクワークをされている方は特に多いように思います。
椅子に座った直後は、背すじを伸ばして座れているものです。
ところが時間が経つにつれて、骨盤がだんだん後ろへ倒れていきます。
骨盤は腰の骨の土台にあたるところですので、骨盤が後ろへ倒れると、その上に乗っている腰の反りも一緒に減ってしまいます。
気がつくと背中が丸まって、椅子に浅く腰かけていた——そういうことは誰にでもありますよね。

座ること自体が立っているより腰に悪い、というわけではありません。
問題は、丸まった格好のまま、同じ姿勢が長く続くことのほうなんですね。
腰椎椎間板ヘルニアで一番気をつけたいのは、前かがみの動作
椎間板は、中心にあるゼリー状の髄核(ずいかく)と、そのまわりを何層にも取り囲む線維輪(せんいりん)でできています。
線維輪は、髄核が外へ出ていかないように押さえている壁のような組織です。
体を前へ曲げると、椎間板は前側がつぶれる形になります。
そうすると、中の髄核は行き場をなくして、後ろのほうへ移動していきます。
そして椎間板の後ろ側には、足へ向かう神経が通っています。
髄核が後ろへ押し出されて神経に触れると、別のブログでもお話しした足のしびれにつながっていきます。

椎間板の圧力を測った研究では、楽に立っているときと比べて、立ったまま前かがみになるとおよそ2倍の圧力がかかっていたそうです。
なので普段の生活で特に気をつけたいのが、中腰の姿勢(腰だけを曲げる)動作です。
床に落ちた物を拾うとき、洗面所で顔を洗うとき、掃除機をかけるとき。
どれも、膝を使わずに腰から折り曲げてしまいやすい場面ですよね…
一回ごとの負担はわずかでも、繰り返されることで、壁である線維輪は少しずつ傷んでいきます。
そこで中腰を避ける方法として、膝を少し曲げたり、手を膝につくといった対策をしていただくのが効果的です。
例えば、床の物を取るときは、腰から折り曲げずに、片膝を床につくようにして体ごと下ろしてみてください。
片膝を床につけば、適度に腰の反りを保ったまま体を下ろせます。

腰への負担は、腰そのものだけを見ていても、なかなか全体像がつかめないものです。
骨盤の傾きや股関節の動きによって、同じ「前かがみ」でも腰にかかる負担は変わってきます。
だからこそ当ラボでは、「なぜその姿勢になっていたのか」というところから、姿勢や体の使い方を一緒に見ていくことが重要と考えています。
おわりに|腰椎椎間板ヘルニアで気をつけたいのは、腰の反りと前かがみの動作
最後までお読みいただきありがとうございました。
この度のブログでは、腰のヘルニアになりやすい腰は本来の反りが減ってまっすぐになっていること、そして反りが減る一番の原因が長い座り姿勢にあることをお話ししました。
そのうえで、普段の生活で一番気をつけたいのが、中腰の姿勢です。
腰に負担のかかる姿勢が分かれば、日々の動作の中で意識することができます。
それでも、これまでの負担が積み重なっている場合は、意識するだけでは追いつかないこともあります。
腰痛が長引いている、姿勢の何を直せばよいのか分からない、という方は、お気軽にLINEかお電話でご相談ください。
LINEからは24時間ご相談を受付しています。

ひろはた整体ラボでは、理学療法士として16年間培った経験を活かし、あなたの体に合わせた施術をご提供しています。
このブログが皆様のお役に立てば幸いです。
- レントゲンで「腰がまっすぐ」と言われました。元に戻せますか?
-
骨のかたちそのものが変わるわけではありませんが、腰の反りは骨盤の傾きや筋肉の使い方によっても変わります。座り方や体の使い方を見直すことで、負担のかかりにくい状態に近づけていける場合があります。まっすぐだと言われたからといって、そのまま悪くなっていくと決まっているわけではありませんので、ご安心ください。
- では、反り腰のほうが良いということですか?
-
そういうわけではありません。腰の反りは、ゆるやかにあることで衝撃を受け流せます。反りが強すぎる状態は、腰の後ろ側の関節に負担が集中しやすくなります。大切なのは反りを強くすることではなく、本来のゆるやかなカーブを保つことです。
- デスクワークのとき、どんなことに気をつければよいですか?
-
まずは、同じ姿勢が長く続かないようにすることです。椎間板は、姿勢を変えることで水分が出入りしています。こまめに立ち上がったり座り直したりするだけでも意味があります。できる範囲で構いませんので、気づいたときに姿勢を変えてみてください。
- しびれや、足に力が入りにくい感じがあるときはどうすればよいですか?
-
姿勢を見直す前に、一度整形外科で診てもらってください。神経の圧迫があるかどうかは、画像や診察をもとにした医師の判断が必要になります。そのうえで様子を見ていきましょうという方針であれば、日々の姿勢に目を向ける余地があります。
参考文献
- 高橋和久『日常診療で出会う腰痛の診かた』中外医学社
- 坂井建雄 監訳『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版』医学書院
- Fennell AJ, Jones AP, Hukins DW. Migration of the nucleus pulposus within the intervertebral disc during flexion and extension of the spine. Spine. 1996;21(23):2753-2757. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8979321/
- Wilke HJ, Neef P, Caimi M, Hoogland T, Claes LE. New in vivo measurements of pressures in the intervertebral disc in daily life. Spine. 1999;24(8):755-762. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10222525/
- Beck J, Brisby H, Baranto A, Westin O. Low lordosis is a common finding in young lumbar disc herniation patients. Journal of Experimental Orthopaedics. 2020;7(1):38. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32476065/


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